後藤社会保険労務士事務所便り2025年

2025年12月

マイカー通勤手当の非課税限度額が令和7年分年末調整から引上げに?

 

◆令和7年分年末調整における改正事項

今年の年末調整について、国税庁ホームページでは(1)「基礎控除」や「給与所得控除」の見直し、(2)「扶養親族等の所得要件」の改正、(3)「特定親族特別控除」の創設、が行われているとして、情報を提供しています。また、「通勤手当に係る非課税限度額の改正が行われる場合には、年末調整での対応が必要となることがある」とあります。社会保険料の算定基礎にも影響する可能性がありますので、最新情報を確認しておきましょう。

◆政府が方針を決定

1112日、政府が非課税限度額を引き上げる方針を固めたと報じられました。10㎞以上15㎞未満の場合に月額7,100円までから7,300円に、55㎞以上の場合に月額31,600円までから38,700円までに引き上げるとされています。

◆ベースは人事院勧告

国税庁ホームページによれば、改正は人事院勧告(令和7年8月7日)を受けたもので、勧告本文では、「民間の支給状況等を踏まえ、200円から7,100円までの幅で引上げ改定を行い、令和7年4月に遡及して実施する」とされています。なお、この実施は1111日に閣議決定されています。

◆令和8年4月以降のさらなる改正も検討

令和8年4月以降のさらなる改正について、税制改正の議論を踏まえて決める方針とも報じられています。

12月の税務と労務の手続提出期限 [提出先・納付先]

10日

   源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

   雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>

[公共職業安定所]

   特例による住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

31日

   健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

   健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

   労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

   外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

   固定資産税・都市計画税の納付<第3期>[郵便局または銀行]

※都・市町村によっては異なる月の場合がある。

本年最後の給料の支払を受ける日の前日まで

   年末調整による源泉徴収所得税の不足額徴収繰延承認申請書の提出

[給与の支払者(所轄税務署)]

   給与所得者の保険料控除申告書、給与所得者の配偶者控除等申告書、

住宅借入金等特別控除申告書、給与所得者の基礎控除申告書、

所得金額調整控除に係る申告書の提出[給与の支払者(所轄税務署)]

2025年11月

健康保険の被扶養者認定は令和8年4月から労働契約内容で年間収入を判定

 

健康保険の被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)の年間収入については、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入の見込みにより判定されていましたが、令和8年4月からは、就業調整対策の観点から、被扶養者認定の予見可能性を高めるため、次のとおり、労働契約段階で見込まれる収入を用いて被扶養者の認定を行うこととされました。

 

 

 

◆労働契約で定められた賃金(労働基準法第11条に規定される賃金をいい、諸手当および賞与も含まれる。)から見込まれる年間収入が130万円(認定対象者が60歳以上の者である場合または概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては、180万円。認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円)未満であり、かつ、他の収入が見込まれず、

 

(1) 認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合には、被保険者の年間収入の2分の1未満であると認められる場合

 

(2) 認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合には、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合

 

には、原則として、被扶養者に該当するものとして取り扱う。

 

 

 

◆労働契約の内容によって被扶養者の認定を行う場合は、労働基準法第15条の規定に基づき交付される「労働条件通知書」(以下「通知書」という。)等の労働契約の内容が分かる書類の添付および当該認定対象者に「給与収入のみである」旨の申立てを求めることにより確認する。具体的には、通知書等の賃金を確認し、年間収入が130万円未満(一定の場合は180万円または150万円未満)である場合には、原則として被扶養者として取り扱う。なお、労働契約の更新が行われた場合や労働条件に変更があった場合(以下「条

 

件変更」という。)には、当該内容に基づき被扶養者に係る確認を実施することとし、条件変更の都度、当該内容が分かる書面等の提出を求める。

 

 

11月の税務と労務の手続提出期限 [提出先・納付先]

 

10日

 

○  源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

 

○  雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

 

17日

 

○  所得税の予定納税額の減額承認申請書(10月31日の現況)の提出[税務署]

 

 

 

12月1日

 

○  個人事業税の納付<第2期分>[郵便局または銀行]

 

○  所得税の予定納税額の納付<第2期分>[郵便局または銀行]

 

○  健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

 

○  健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

 

○  労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

 

○  外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>

 

[公共職業安定所]

2025年10月

国税庁が「年末調整のしかた」を公表しました

 

国税庁より「令和7年分 年末調整のしかた」(全64ページ、以下「パンフレット」という。)が公表されました。今年の年末調整には複数の変更点があります。企業においては早めの確認と実務への備えが大切です。パンフレットでは、「昨年と比べて変わった点」として、以下の3つが挙げられています。

 

◆年末調整のしかた

~改正項目

1 所得税の基礎控除の見直し等
(1) 基礎控除の見直し:合計所得金額に応じて基礎控除額が58万円~95万円に

(2) 給与所得控除の見直し:最低保障額が65万円に

    (3) 特定親族特別控除の創設:所得者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で合計所得金額が58万円超123万円以下の「特定親族」がいる場合、合計所得金額に応じて3万円~63万円を控除

    (4) 扶養親族等の所得要件の改正:同一生計配偶者・扶養親族の合計所得金額の要件が58万円以下に

 

2 年末残高調書を用いた方式(調書方式)による住宅借入金等特別控除

 

3 令和8年分以後の給与の源泉徴収事務における留意事項

※上記のほか、パンフレットの表紙には「通勤手当に係る非課税限度額の改正が行われる場合には、年末調整での対応が必要となることがあります」との注意書きもあり。

 

誤りのない年末調整のためには、制度への従業員の理解が不可欠です。そのためにも、今回公表されたパンフレットや10月に公開予定の「年末調整がよくわかるページ」(国税庁)を確認し、改正点の周知に努めましょう。


10月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]

 

10日

  源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

  雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

31日

  個人の道府県民税・市町村民税の納付<第3期分>[郵便局または銀行]

  労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、7月~9月分>[労働基準監督署]

  健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

  健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

  労働保険料の納付<延納第2期分>[郵便局または銀行]

  労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

2025年9月

9月からマイナ保険証がスマホでも利用できるようになります

 現在、マイナンバーカードの保有者は、アプリのダウンロードによりマイナンバーカードの機能をスマートフォンで利用できますが、9月よりマイナ保険証の機能が搭載され、機器の準備が整った医療機関等で利用できるようになります。

 ◆マイナ保険証をスマホで使うには?

マイナンバーカードをスマートフォンで使うためには、マイナポータルアプリをダウンロードする必要があります。そして、下記を準備しなければなりません。

・実物のマイナンバーカード

・券面入力用暗証番号(数字4桁)※iPhoneのみ

・マイナンバーカードの署名用電子証明書のパスワード(市町村窓口で設定した英数字6桁~16桁)

マイナポータルアプリからマイナンバーカードをスマートフォンにかざして読み取ると、ログインが完了します。ログイン後、マイナンバーカードの健康保険証利用登録を行います。

次に、マイナンバーカードの機能をスマートフォンに搭載します。詳細は下記デジタル庁のWebサイトを確認してください。

●デジタル庁「スマートフォンのマイナンバーカード」

https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/smartphone-certification


◆受付時の操作

医療機関等での受付方法は、マイナ保険証で受付をする際と同様に、顔認証付きカードリーダーを使います。受付画面で該当する端末を選択し、端末で本人認証を行い、スマートフォンが搭載されたマイナ保険証をスマホ用の汎用カードリーダーにかざすと、同意情報の入力に進みます。


◆従来の健康保険証はいつまで使えるか?

なお、従来の健康保険証は、マイナ保険証への移行に伴い、順次有効期限(最長で今年の12月1日)を迎えます。そのため、マイナンバーカードを持っていない人やマイナ保険証の利用登録をしていない人には、健康保険組合や自治体から「資格確認書」が交付されます(後期高齢者医療制度に加入の人や、新たに加入される人等は令和8年7月末までの暫定措置としてマイナ保険証の保有状況にかかわらず交付)。これを医療機関の窓口に提示すれば、これまでと同様に保険診療を受けることができます。



19歳以上23歳未満の被扶養者に係る認定について」の通達が公表されました


令和7年度税制改正において、特定扶養控除の要件の見直しおよび特定親族特別控除の創設が行われたことを踏まえ、健康保険法の被扶養者の認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱いについて、通達が公表されました。


◆認定対象者が19歳以上23歳未満である場合における取扱い

認定対象者の年間収入に係る認定要件のうち、その額を130万円未満とするものについて、当該認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が19歳以上23歳未満である場合にあっては150万円未満として取り扱うこと。

なお、当該認定対象者の年間収入の額に係る認定要件以外の取扱いについては、昭和52年通知と同じとすることとされています。

※昭和52年通知の内容

1.認定対象者」が被保険者と同一世帯に属している場合

(1) 認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入の二分の一未満である場合

(2) (1)の条件に該当しない場合であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者の年間収入を上まわっておらず、被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるとき

2.認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合

認定対象者の年間収入が、130万円未満(60歳以上または一定の障害者は180万円未満)、かつ、被保険者からの援助による収入額より少ない場合

◆船員保険法の被扶養者の認定について

上記に準じて取り扱うものとされています。

 ◆施行日

令和7年10月1日

 大学生が扶養から外れないようにする就業調整をしていることを受け、人手不足解消の観点から、認定にかかる年間収入の要件を緩和したものです。

大学生の子を扶養する被保険者がいる場合は、必ず押さえておきましょう。




9月の税務と労務の手続提出期限

[提出先・納付先]


 
10日

  源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

  雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>

[公共職業安定所]

 

30日

  個人事業税の納付<第1期分>[郵便局または銀行]

  個人の道府県民税・市町村民税の納付<第2期分>[郵便局または銀行]

  健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

  健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

  労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出

[公共職業安定所]

  外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>

[公共職業安定所]

2025年8月

令和7年分年末調整用の各種様式が公表されています

 

◆令和7年分年末調整の準備はお早めに

 令和7年度税制改正により所得税の基礎控除の見直し等が行われ、特定親族特別控除の創設や扶養親族等の所得要件の改正が行われました。新たな申告書を提出する必要があるなど、今年の年末調整における変更内容を早めに従業員に周知し、期日までの書類提出を呼びかけるなどすると、スムーズに進められるでしょう。

◆各種様式の変更点

 上記の改正を踏まえ、年末調整等で使用する各種様式に変更があります。6月30日、国税庁より変更後の様式が公表されています。

 また、給与所得の源泉徴収票も公表されており、「令和7年12月より前であっても、使用いただいて差し支えありません。」とされています。

◆健康保険の扶養要件も見直される予定です

 令和7年度税制改正における特定親族特別控除の創設は、いわゆる「年収の壁」による就業調整対策等の観点から講じられましたが、健康保険においても同様の対策が講じられる予定となっています。

 現在、健康保険の被扶養認定における年収要件は130万円未満とされていますが、令和7年10月1日から被保険者の配偶者を除く認定対象者が19歳以上23歳未満である場合は150万円未満へと見直すとの案が厚生労働省から示され、パブリック・コメント募集が実施されました。

 秋に実施される被扶養者資格調査において新たに認定要件を満たす被扶養者が現れる可能性がありますので、こちらも変更内容を確認しておきましょう。

 

8月の税務と労務の手続提出期限

[提出先・納付先]


13日

  源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

  雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>

[公共職業安定所]

9月1日

  個人事業税の納付<第1期分>[郵便局または銀行]

  個人の道府県民税・市町村民税の納付<第2期分>[郵便局または銀行]

  健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

  健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

  労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出

[公共職業安定所]

  外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>

[公共職業安定所]

2025年7月

職場での熱中症対策義務化

◆改正の概要

近年の猛暑や職場での熱中症による死傷災害の増加を受け、職場での熱中症対策が法的義務として強化されています。具体的には、令和7年6月1日、職場における熱中症対策の義務化を含む、改正労働安全衛生規則が施行されました。

対象となるのは、「WBGT(暑さ指数)28℃以上または気温31℃以上の環境で、1時間以上または1日4時間を超えての実施」が見込まれる作業です。これについて、熱中症の重篤化を防止するため「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が事業者に義務付けられました。

◆主な義務内容

・報告体制の整備と周知:「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」がその旨を報告するための体制整備および関係作業者への周知。

※報告を受けるだけでなく、最適温度管理バディ制の採用、ウェアラブルデバイス等の活用や労働環境内での冷却装置等により、熱中症の重症状がある作業者を積極的に把握するように努める。

・重篤化防止措置の準備と周知:熱中症のおそれがある労働者を把握した場合に迅速かつ的確な判断が可能となるよう、①事業場における緊急連絡網、緊急搬送先の連絡先および所在地等、②作業離脱、身体冷却、医療機関への搬送等熱中症による重篤化を防止するために必要な措置の実施手順の作成および関係作業者への周知。

これらの措置を怠った場合、6カ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。従業員の命を守るためにも、また法令遵守のためにも、今後は作業環境の見直しや従業員への教育・訓練の実施がより一層重要となります。

詳細は、厚生労働省のパンフレット・リーフレットをご参照ください。

 

7月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]

10日

   健保・厚年の報酬月額算定基礎届の提出期限[年金事務所または健保組合]<7月1日現在>

   源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

   特例による源泉徴収税額の納付<1月~6月分>[郵便局または銀行]

   労働保険の今年度の概算保険料の申告と昨年度分の確定保険料の申告書の提出期限<年度更新>[労働基準監督署]

   労働保険料の納付<延納第1期分>[郵便局または銀行]

15日

   障害者・高齢者雇用状況報告書の提出[公共職業安定所]

31日

   労働者死傷病報告の提出[労働基準監督署]<休業4日未満、4月~6月分>

   健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

2025年6月

 カスハラ被害の体験者+遭遇者は6割近くに~


近年、社会的問題となっている「カスタマーハラスメント(カスハラ)」は、多種多様な仕事とその働き手が集中する東京では特に深刻化しており、今年4月にはカスハラ防止条例が施行されました。

以下の調査は、カスハラについてWeb調査を行った結果を東京都産業労働局がまとめたものです。

 

◆調査結果のポイント

・カスハラという言葉も意味も知っている:57.3

・カスハラが増加していると思う:79.6

・就業中に自身がカスハラ被害にあった:16.8

・就業中にカスハラを見聞きした:36.3

・カスハラ被害にあったこと見聞きしたこともない:40.3

・カスハラ被害にあった場面

→対面(接客時など):51.2%、電話・メール:33.2

・カスハラ行為

→威圧的な言動(声を荒げる、にらむ、物を叩くなど):63.8%、継続的・執拗な言動や行為

(何度も電話、要求を繰り返す):28.9

・カスハラ被害の対応方法

→管理職・上司が対応:40.3%、自分1人で対応:32.0%、同僚が対応31.7

・勤務先のカスハラ対策の実施

→行っている23.0%、行っているが不十分27.6%、行っていない:49.3

・行っている場合の内容→基本方針の策定・周知60.5%、対応マニュアルの整備46.4

・対策をしているができていない理由

→対応のノウハウがない:46.7%、対応できる人材が不足している:37.2

・カスハラ対策として効果があると思うもの

→対応マニュアルの整備:56.4%、基本方針の策定・周知:51.5

 

業種別にみると、実際に被害にあった割合が一番多かったのは「農林漁業」(61.5%)で、見聞きしたことのある割合が多かったのは「学術研究、専門・技術サービス業」(53.2%)、両方ないのは「運輸業・郵便業」(52.5%)でした。

北海道や群馬県でも先だってカスハラ条例が制定されています。カスハラ対応を企業に義務付ける労働施策総合推進法の改正も閣議決定され、成立は目前です。企業にとっては、対応マニュアルや基本方針を策定するなどの対応が急がれます。


 6月の税務と労務の手続提出期限

[提出先・納付先]


2日

   労働保険の年度更新手続の開始<710日まで>[労働基準監督署] 

10日

   源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

   雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

   特例による住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]  

30日

   個人の道府県民税・市町村民税の納付<第1期分>[郵便局または銀行]

   健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

   健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所] 

  労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告の提出[公共職業安定所]

  外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

雇入時及び毎年一回
健康診断個人票[事業場]

2025年5月

マイナ保険証の有効期限をご存知ですか?

 ◆マイナンバーカードと有効期限

 マイナ免許証の交付開始時に、現行システム上の注意点としてマイナンバーカードと運転免許証の更新の順番によっては免許情報の再度の紐付けをしないと免許不携帯になるおそれがあるとの注意喚起がされましたが、マイナ保険証でも有効期限に注意が必要です。

 マイナンバーカードの有効期限は、18歳以上が発行の日から10回目の誕生日まで、18歳未満は5回目の誕生日までですが、マイナ保険証利用時等に利用する電子証明書(数字4桁)の有効期限は、全年齢で5回目の誕生日までとされているからです。

つまり、マイナンバーカードは有効期限内であってもマイナ保険証は期限切れ、ということが起こり得るのです。

 

◆有効期限が切れてしまったら?

マイナンバーカードおよび電子証明書は、有効期限の2~3カ月前を目途に有効期限通知書が送付されてくるので、市区町村窓口で手続きをすれば更新できます。

 期限内に手続きができなかった場合、期限切れから3カ月間は引き続きマイナ保険証で受診できます(保険資格情報の提供のみ)。3カ月を過ぎるとマイナ保険証では受診できなくなり、再発行の手続きをしなかった場合、3カ月以内に資格確認書が交付されます。

 

◆どんな手続きが必要?

 マイナンバーカードおよび電子証明書は、上記のとおり、有効期限が近づくと有効期限通知書が送付されてきます。

 通知書に交付申請用QRコードがある場合は、スマートフォンで申請の上、市区町村窓口で新しいマイナンバーカードと交換できます。QRコードがない場合は、有効期限通知書に記載された必要書類を持って市区町村窓口で手続きをします。


5月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]

12日

   源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

   雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

15日

   特別農業所得者の承認申請[税務署]

6月2日

   軽自動車税(種別割)納付[市区町村]

   自動車税(種別割)の納付[都道府県]

   健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

   健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

   労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

   外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>

[公共職業安定所]

   確定申告税額の延納届出額の納付[税務署]

 

2025年4月

「マイナ免許証」がはじまります

◆マイナンバーカードと運転免許証が一体化

 2025年3月24日から、マイナンバーカードと運転免許証および運転経歴証明書の一体化が開始されます。一体化の手続きができる施設は、一体化のみを行うのか免許更新と併せて行うかなどにより異なります。予約方法も手続内容により異なりますので、警視庁ホームページなどで確認しましょう。

◆一体化後の保有形態

 運転免許証のみを保有、今の運転免許証を返納してマイナ免許証のみを保有、マイナ免許証と運転免許証の2枚を保有、のいずれも可能です。ただしマイナ免許証のみの場合は、国外運転免許証を申請する際に、

渡航先の国により従来の運転免許証が必要になる場合があります。

◆マイナ免許証のメリット

 マイナ免許証を保有していている人が必要な手続きを行うと、更新の際に受講する講習をオンラインで受講でき、更新にかかる時間も短縮されます。更新手数料は、運転免許証のみは2,850円、マイナ免許証のみは2,100円、2枚所持は2,950円です。講習手数料は、会場受講の場合、優良500円、一般800円に対し、オンライン受講は200円です。また、マイナ免許証のみを保有している人が必要な手続きを行うと、

本籍・住所・氏名および生年月日に変更が生じた場合でも、警察への届出は不要となります。

◆注意事項

マイナンバーカードの有効期限は、18歳以上は10年、18歳未満は5年とされていますが、

マイナ免許証の有効期間は異なります。この有効期間はマイナンバーカードの券面には表記されず、

マイナポータル等で確認するため、失効に注意が必要です。

 

4月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]

10日

   源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

   雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

15日

   給与支払報告に係る給与所得者異動届出書の提出[市区町村]

30日

   預金管理状況報告の提出[労働基準監督署]

   労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、1月~3月分>[労働基準監督署]

   健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

   健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

   労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

   外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

   公益法人等の法人住民税均等割の申告納付[都道府県・市町村]

   固定資産税・都市計画税の納付<第1期>[郵便局または銀行]※都・市町村によっては異なる月の場合がある。

・土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿の縦覧期間

41日から20日または第1期目の納期限までのいずれか遅い日以降の日までの期間)

2025年3月

令和7年度の雇用保険料率


 厚生労働省は、令和7年度の雇用保険料率の案内を公開しました。令和5年4月~令和7年3月までの保険料から0.1%引き下げとなりました。

一般の事業の雇用保険料率

労働者負担と事業主負担あわせて14.51,000となります(令和7年3月までは15.51,000)。失業等給付・育児休業給付の保険料率が労働者負担・事業主負担ともに6/1,000から5.51,000に変更になったことで0.1%引き下げられました。

事業主のみ負担となる雇用保険二事業の保険料率についての変更はなく、3.51,000です。

農林水産・清酒製造の事業

農林水産・清酒製造の事業の雇用保険料率は労働者負担と事業主負担あわせて16.51,000となります(令和7年3月までは17.51,000)。

建設の事業

建設の事業は労働者負担と事業主負担あわせて17.51,000となります(令和7年3月までは18.51,000)。

令和7年度雇用保険料率



3月の税務と労務の手続き提出期限


10日

  源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

  雇用保険被保険者資格取得届の提出

<前月以降に採用した労働者がいる場合>

[公共職業安定所]

15日

  個人の青色申告承認申請書の提出

<新規適用のもの>[税務署]

  個人の道府県民税および市町村民税の申告[市区町村]

  個人事業税の申告[税務署]

  個人事業所税の申告[都・市]

  贈与税の申告期限<昨年度分>

[税務署]

  所得税の確定申告期限[税務署]

  確定申告税額の延納の届出書の提出

[税務署]

  財産債務調書、国外財産調書の提出

  総収入金額報告書の提出[税務署]

31日

  健保・厚年保険料の納付

[郵便局または銀行]

  健康保険印紙受払等報告書の提出

[年金事務所]

  労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

  外国人雇用状況の届出

(雇用保険の被保険者でない場合)

<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

  個人事業者の消費税の確定申告期限

[税務署]

2025年2月

有給休暇の取得率上昇とプレゼンティーイズム

◆年次有給休暇の取得率は10年で急上昇
厚生労働省から令和6年「就労条件総合調査」の結果が公表されました。
令和5年の1年間に企業が付与した年次有給休暇(繰越日数を除く。)の取得率は65.3%(同62.1%)となり、昭和59年以降最も高くなっています。10年ほど前には40%台後半でしたので、実に20パーセントポイントほども急上昇していることになります。
 
◆プレゼンティーイズム
こうした流れの中で、職場の管理職の中には「最近の若い者は休みばっかり取っている」と感じる向きがあるかもしれません。
もしかすると、それは「プレゼンティーイズム」に陥っているからかもしれません。プレゼンティーイズムとは、単に職場に物理的に存在することを重視する傾向や、長時間労働を美徳とする考え方を指します。実際の生産性や成果よりも、職場にいることを偏重する誤った労働観、という意味で使われる言葉です。
プレゼンティーイズムに凝り固まるのは問題がありますが、一方で、その場にいないとコミュニケーションが不足したり報連相がスムーズにいかなくなるのも事実でしょう。新しい連絡ツールなどがいろいろと登場しているとはいえ、その場にいること、リアルな対面での情報交換の重要性が消えてなくなることはないでしょう。
何事もバランスの問題かもしれません。バランスの取れた判断をするためには職場のリーダーや管理者の意識が重要となります。「会社の売上が減っているのに休みばっかり取って……」と不満を抱えて憂鬱になるより、売上減の要因を探って対策を考えるほうが建設的でしょう。

◆社内規程のアップデートも忘れずに
時代に適合しない企業は生き残れません。リーダーの考え方にアップデートの余地がないか、ちょっと立ち止まって考えてみるのも有益かもしれません。もちろん、就業規則などの社内規程のアップデートも忘れずにしておきましょう。
【厚生労働省「令和6年就労条件総合調査 結果の概況」】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/24/index.html


2月の税務と労務の手続提出期限[提出先・納付先]

1日
○贈与税の申告受付開始<3月15日まで>[税務署]

10日
○源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

17日
○所得税の確定申告受付開始<3月15日まで>[税務署]
※なお、還付申告については2月14日以前でも受付可能。

28日
○じん肺健康管理実施状況報告の提出[労働基準監督署]
○健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]
○労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
○固定資産税・都市計画税の納付<第4期>[郵便局または銀行]
※都・市町村によっては異なる月の場合がある

2025年1月

ハローワークにおける求人不受理の対象が追加されます

 

◆ハローワークにおける求人不受理の対象とは?

 ハローワークの求人は、労働関係法令の規定に違反し、企業名公表等の措置が講じられた者からの求人の申込みについては受理しないことができると、職業安定法の政令に規定されています。

 例えば、労働基準法や最低賃金法の規定に、過去1年間に2回以上、同一条項違反で是正指導を受けた場合は是正後6カ月経過まで不受理となります。送検・公表された場合は、送検後概ね1年経過まで不受理となります。また、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法の規定に違反し、是正を求める勧告等に従わずに公表された場合も是正後6カ月経過まで不受理となります。

 

◆改正育児・介護休業法の施行にあわせて求人不受理の対象が追加

 2024年の通常国会で成立した改正育児・介護休業法は、一部が202541日と2025101日の2回に分けて施行されます。この改正法の施行にあわせて、求人不受理の対象が追加されます。

 具体的には、労働者が家族の介護の必要性に直面した旨を事業主に対して申し出たことを理由とした不利益取扱いの禁止への違反が、202544日から追加されます。

 また、(1)労働者から確認された就業に関する条件に係る意向の内容を理由とした不利益取扱いの禁止、(2)柔軟な働き方を実現するための措置(3歳から小学校就学までの子を養育する労働者に対する始業時刻等の変更等の措置)の実施義務、(3)事業主が講じた柔軟な働き方を実現するための措置に係る申出をしたこと等を理由とした不利益取扱いの禁止を定めた規定への違反について、2025101日から追加されます。

 

価格交渉促進月間(20249月)のフォローアップ調査結果~中小企業庁

 

原材料費やエネルギー価格、労務費などが上昇する中、多くの中小企業が価格交渉・価格転嫁できる環境を整備するため、中小企業庁では20219月より、毎年3月と9月を「価格交渉促進月間」と設定し、受注企業が発注企業にどの程度価格交渉・価格転嫁できたかを把握するための調査を実施しています。

1129日に公表された20249月のフォローアップ調査の結果では、価格転嫁に関する発注側企業による説明状況や、サプライチェーンの各段階における価格転嫁の状況、官公需における価格交渉・価格転嫁の状況についても初めて調査が行われました。

 

◆価格交渉の状況

直近6か月間における価格交渉の状況は、「発注側企業から申し入れがあり、価格交渉が行われた」割合は、前回から約2ポイント増の28.3%、「価格交渉が行われた」割合も前回から約1ポイント増の86.4%でした。

発注企業からの申し入れは浸透しつつあるものの、受注企業の意に反して「交渉が行われなかった」割合が約1.5割あり、引き続き、労務費指針の徹底等による価格交渉・転嫁への機運醸成が必要です。

◆価格転嫁の状況

 コスト全体の価格転嫁率は49.7%で、今年3月より約3ポイント増加しています。「全額価格転嫁できた」割合は、前回から約3ポイント増の25.5%、「一部でも価格転嫁できた」割合も前回から約3ポイント増の79.9%と、増加しました。

価格転嫁の状況は改善してはいますが、「転嫁できた企業」と「できない企業」で二極化がみられ、転嫁対策の徹底が重要です。

◆価格転嫁に関する発注側企業による説明

今回調査では、価格転嫁に関する発注側企業による説明を初めて調査しました。価格交渉が行われたものの、コスト上昇分の全額の価格転嫁には至らなかった企業(全体の37.8%)のうち、発注側企業から価格転嫁について、「納得できる説明があった」と回答した企業は約6割ありました。一方で、「発注側企業から説明はあったものの、納得できるものではなかった」または「発注側企業からの説明はなかった」とする回答が約4割となっています。

発注側企業に対し、価格交渉の場の設定のみならず、価格に関する受注側企業への十分な説明も求めていく必要があります。

 

1月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]

 

10日

○源泉徴収税額()・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

※ただし、6ヶ月ごとの納付の特例を受けている場合には、令和67月から12月までの徴収分を120日までに納付

○雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

 

31日

○法定調書<源泉徴収票・報酬等支払調書・同合計表>の提出[税務署]

○給与支払報告書の提出<1月1日現在のもの>[市区町村]

○固定資産税の償却資産に関する申告[市区町村]

○個人の道府県民税・市町村民税の納付<第4期分>[郵便局または銀行]

○労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、10月~12月分>[労働基準監督署]

○健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

○健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所]

○労働保険料納付<延納第3期分>

○労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

○外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

○固定資産税に係る住宅用地の申告[市区町村]

 

本年最初の給料の支払を受ける日の前日まで

○給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出[給与の支払者(所轄税務署)]

○本年分所得税源泉徴収簿の書換え[給与の支払者]


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